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生徒のタイプを見極めて教育指導!-Part2-

こんにちは、城野優です。前回は、生徒のタイプを見極めることの重要性と、どのようなタイプの生徒が存在するのかという点についてお話させて頂きました。今回は、①真面目で勉強法の習得度が高い生徒②真面目だけれども勉強法の習得度が低い生徒③不真面目だけれども勉強法の習得度が高い生徒④不真面目で勉強法の習得度が低い生徒、の4タイプの生徒別にどのような指導を行ったら良いのか、をお話させて頂きます。

まずは、「真面目で勉強法の習得度が高い生徒」のタイプです。このタイプの生徒は、言ってしまえば一番教育指導を行うのが楽なタイプです。このタイプは、授業は真面目に聞き、宿題もしっかりこなし、放って置いても積極的に勉強を行います。また、勉強法の習得度も高く勉強効率が良いため、勉強した分だけ成績が伸びていきます。基本的には自走できるタイプですので、特に指導を行わなくても成績は順調に伸びていきます。懸念があるとすると「勉強すること自体」が目的となってしまうことが多いタイプのため、試験や受験がひとたび終わると熱中できることややりたいことがなくなってしまい、やりがいを感じられなくなってしまうことです。結果として勉強以外の点での成長が鈍化してしまう恐れがあります。従って、成績が順調なうちにそれで満足させるだけでなく、「勉強のその先に何がしたいの?」点を問いとして提示し続けてあげるとよいと思います。「勉強の成績」という点については既にクリアしているので、「勉強」を飛び越えて「その生徒が将来やりたいこと」を発掘することをサポートしてあげてください。そうすれば、生徒にとって、目の前の勉強がどのように将来やりたいことに繋がっていくかが明確化されるため、ますます勉強へのモチベーションが高まり、かつ試験や受験が終わっても、やりたいことに向けて自走していけるはずです。

次は、「真面目だけれども勉強法の習得度が低い生徒」のタイプです。皆さんも教育指導をされる中で、「あの子はあんなに頑張っているのに、どうしてなかなか結果が出ないのだろう」「授業は真面目に聞いているし、宿題もちゃんとやってくるのになぜ成績がイマイチなのだろう」と疑問に思ったり、指導法に困ったりした経験があるのではないでしょうか?このタイプは勉強を取り組むことへの”姿勢”はしっかりしているのですが、根幹となる「勉強法の習得度」が低いために、勉強へ時間をかけてもなかなか伸び切らないという状況があります。つまり課題は、「勉強法」なのです。「勉強法」を身につけるためのコツは、「繰り返す」ことです。成績が上がらない生徒は、問題をできるようになる前に中途半端なまま次へ進んでしまいます。当然、勉強が身についていないので成績は上がりません。すると、「もっと勉強しなきゃ」と思いどんどん新しいことを勉強しようとするのです。しかし、そもそも学習したことが身についていないのに次へ進んでも、当然勉強ができるようになりません。「身につく前に次の勉強へ進む→勉強したことが身につかないため成績が上がらない→成績が上がらないため焦って次へ進む→ますます成績が上がらない」という蟻地獄にはまってしまいます。いくら勉強に時間をかけても、学習したことが身についていないため全く結果に結びつかないのです。効率的な「勉強法」というのは実は「学習したことを100%できるようにする」ことを積み上げていくことなのです。「真面目だけれども勉強法の習得度が低い生徒」のタイプの生徒がいたら、まずは「繰り返す」ことを提案してみてください。そして学習したことを100%できるようになるまでは、次に進まないように指導してみてください。「学習したことを100%完璧にする」ということを真面目に繰り返していけば、学習した問題は100%解けるわけですから、時間をかければかけるだけ解ける問題が増え、結果として成績も上がるわけです。「とりあえず前に進む」ことよりも学習したことを「こぼさない」ことの方が重要なのです。

次は、「不真面目だけれども勉強法の習得度が高い生徒」のタイプです。このタイプは、よく「やればできるのに!」と言われがちなタイプです。利発的で頭の回転が早いけれども、とにかく面倒臭がりでついつい勉強をサボってしまう傾向があります。このタイプの特徴としては、勉強時間は少ないけれども効率はよいという点が挙げられます。基本的には、「勉強法」の型が出来上がっているので、少し勉強すれば成績がすぐに伸びるのですが、なかなか勉強に目が向かないために成績が伸び悩むことが多いのです。課題は「勉強法」ではなく、「勉強時間」です。このタイプは、「勉強をすること」自体にモチベーションを感じません。むしろ、「勉強ができることでモテる」であったり、「いい学校に入ってかっこよくなりたい」のような”to be(〜になりたい)”というところにモチベーションを感じます。勉強をすること自体がモチベーションとなりうる「真面目で勉強法の習得度が高い生徒」のタイプとは対極的です。このタイプのモチベーションのスイッチを入れるためには、「カッコいいOBを紹介する」、「合格後の華やかな学校生活を教えてあげる」のように「憧れの像」を見せてあげることが重要です。後は「成績のランキング化」も有効です。比較的承認欲求が強い人が多いタイプなので、クラスの成績をランキング化する仕組みを取り入れると、「上位に入って周りからよく思われたい/モテたい」と考え、モチベーションのスイッチが入りやすいです。生徒によってモチベーションのスイッチは異なるため、「この生徒は何にモチベーションを感じるだろう」というモチベーションの源泉を考えることが重要です。モチベーションのスイッチさえ入れば、自動的に勉強を行うようになり→勉強を行えば効率的にこなしていくので成績が伸びる→モテるようになりますます勉強する、という良い循環が周りはじめます。

最後は、「真面目で勉強法の習得度が低い生徒」のタイプです。このタイプの生徒を指導するのが一番難しいでしょう。学習への”姿勢”が不真面目で授業は聞かず、ノートは取らない。そして学習効率も悪いため、当然成績はビリ近いというような生徒です。このような生徒の成績を上げようと思ったら、簡単には行きません。まず最初にやるべきことは、「好きな科目・項目を見つけてあげること」です。おそらく生徒に「何の科目が好きなの?」と聞いても本人も気づいていないと思いますので、生徒とコミュニケーションを取りながら「どの科目・どの項目の話をしている時に楽しそうな表情になるか?」「特定の話になると鋭い考えを持っていたりしないか?」とこちらから探りに行く必要があります。保護者の方に、「何の勉強をしている時に楽しそうにしているか?」と聞いてみるのも一つの手でしょう。生徒が好きな科目や項目が分かってきたら、その科目について一冊の問題を繰り返し勉強することを指導して下さい。先ほどもお話した通り「学習法」が身についていない人は学習したことを「取りこぼさない」ことが重要です。一冊を徹底的に繰り返して完璧にすることで、最短の時間で成績をアップさせることができます。まずは好きな科目からスタートして、徐々に「一冊を徹底して学習する」科目を増やしていくという指導を地道に行っていくしかありません。このタイプの生徒を一気に成績アップさせようと思ってはいけません。もし保護者の方が急な成績アップを望んでいるのであれば、期待値調整を行う必要があります。「まずは好きな科目を見つけて→一冊を徹底して学習させる方法で好きな科目の成績を上げる→同じ方法で他の科目も勉強する」というフローを踏む必要があることを説明して下さい。あえて時間をかけて確実に成績をアップさせるという戦略的な指導が必要なのです。

私は先生は「コンサルタント」であると考えています。金太郎飴のように均一な指導を行っていては生徒の成績をアップさせることはできません。先生の業務には、観察やヒアリングを踏まえて生徒のタイプを分析し、生徒のタイプに合わせてフィットした学習法を提案して行くという「分析」と「提案」という2つの重要なファクターがあります。コンサルタントのように「分析」を踏まえて最適な「提案」を行い、最速で生徒が成長して行くようにサポートするという観点を是非持っていただけたらと思います。科目別の勉強法・指導法については別の会でお話させていただきます。