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【カネなし・コネなし】脱サラ個人開業塾の立地選びポイント

 

学習塾の立地選定の条件

「カネなし・コネなし」の脱サラ個人開業の学習塾が立地選びを行う上で考慮するポイントを挙げてみましょう。この記事では、「自宅を改築して教室にする」「Uターンで」「知り合いのテナントを借りて」開業する制約だらけの立地選定のポイントを整理しました。

ポイントは次の通りかと。

・子供の数
・地域のつながりの強弱
・最寄りの交通機関
・生徒たちの通塾時間
・近隣の学校の数や距離感
・同業他社

 

地域の子供の数

当たり前ですが、子供の少ない地域で学習塾の需要は見込めません。
大手塾チェーンなら、事前に入念なマーケットリサーチの上で開塾に到るのでしょうが、脱サラの個人開業は、こうした基本的な事が抜け落ちたりします。

自宅を改造して教室にする、Uターンで実家に戻って、知り合いの空いている貸しビルの一角を使わせてもらうなど、最初から自由に立地を選べない場合もあるでしょう。しかし限られた条件の中でもマーケットリサーチは必要です。

注意すべき点は、思い込み判断をすること。

「自分の子供時代は、この街に子供がたくさんいた」としても、それは20年や30年前の話。街は生きていますから、昔と今は違います。やはり人口調査データを元に、地域の年齢別人口はおさえておくべきです。

jSTAT MAPは、統計局が無料で提供する地理情報システムです。
市区町村、小地域、地域メッシュ統計の結果を地図に表示することができる本格派です。

https://jstatmap.e-stat.go.jp/jstatmap/main/trialstart.html

 

地域コミュニティの成熟度

軽視してはならないのは親御さんや生徒間で流れる「評判」。

有り体に言えば、地域コミュニティの成立度、成熟度も塾の立地条件を考える上で重要なところです。

あそこの塾は教え方が上手、相談に乗ってくれる親切な先生がいる等の口コミは、塾の命運を左右しかねません。

 

交通の利便性だけが塾の立地を左右しない

次に注意したいのが、交通機関と通塾にかかる時間です。
駅前テナントとして開業するなら、夕方や夜に物騒になならないか…地元の人から話を聞いたり、自分で実際に夜歩いてみて、確認しておかなければいけないことです。

また、住宅地となると近くにバス停がある方が良いのではないか、といった点も検討課題になるかもしれません。
ただし、ベッドタウンで開業している塾講師によると、幼児を保育園に送り届けたり母親がパートに出る必要から自家用車のある家も多く、近くから徒歩や自転車で通ってくる以外にも、塾の評判が上がってくると多少離れたところからも車で送り迎えして子供を通わせる親も出てくるそうですから、交通機関の利便性だけが突出して塾の立地条件を左右するわけではないようです。

近くに学校がある事は生徒集めのメリットとなるか?

さて、場所選びを続ける中で、近くに私立・公立を問わず、小・中・高の学校がある場合、これは生徒集めのメリットとなるのでしょうか。
通学路の途中にある場合もそうですが、学校の帰りに立ち寄ってくれるなら数も期待できると考えたくなるかもしれません。ところが、子供の心理を考えてみると、校門を出た途端に学習塾に入るというのは、同級生の顔色をうかがう…その他、場合によっては抵抗があるかもしれません。
私立で遠方からも通っている子が多いと、近くのバス停からさっさと帰宅してしまい、思ったほど集まらないおそれもあります。

また、複数の学校から子供が通ってくれることを念頭に置く場合、よその学校のすぐ近くまで足を踏み入れるというのは、子供にとっては「敵の本丸」に近づくようなものですから、動物的な本能からここはこわいと感じる可能性もあるでしょう。
このように、学校に近いから塾は経営しやすいというものでもないのです。

まとめに代えて

おしまいに、開業しようと考えている地所の近くで既に学習塾が営業している場合、これはプラス・マイナスのいずれと評価すべきなのでしょうか。これは一律に判断できる話ではありません。
学習塾の存在は、講師はよそから派遣されているかもしれませんけれども、この地域にはそれなりに子供がいて塾への需要がある、という明確なバロメーターとも解釈できます。
反対に、個人経営の塾なら、先に地元に根をおろして生徒集めも毎年それなりに成功しているから、こちらはそちらと違う塾づくり、つまり生徒のターゲットや授業内容など、同業他社との「差別化」を打ち出した上で「新規参入」を図らなければならないかもしれません。

また、開業をためらうような懸念材料にはならないのは、フランチャイズの教室でしょう。
それぞれの本部の方針によっても違いはあるでしょうが、教育産業の場合、教材や指導方針などに一定の制約があり、授業の進度や教え方は自由に出来ないといった側面もあるからです。
学校の授業を離れて先へ先へと教科を進める「お受験特化」の学習塾同士なら生徒の奪い合いになりますが、地元の学校での勉強をサポートする補習塾を売り物にするなら、ちゃんと「棲み分け」が出来る状況を作り出すことも難しくありません。

このように、学習塾のロケーションと塾の性格・特長づけとの間には重要なつながりがあるのです。