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塾で集客するために欠けてはならない「保護者の心理」

この記事に興味を持ったということは、おそらく貴方は「より保護者の心情を理解したい」という情報収集欲を持たれていると思います。

塾というのは営業のように数値を逐次追われる仕事ではないため、実際に運営するようになると、色々な「驕り」が生まれてしまいます。それは「甘え」につながり、やがて校舎を崩す大きな要因となっていきます。
私自身、東海地方で展開する大手予備校の一つで校舎運営に毎年600人以上の指導、100回以上の面談や保護者セミナーをしてきました。その経験から「塾の運営で必ず意識しなければならない保護者の心理」をお伝えして、これから教育業界に飛び込む貴方の一助が担えればと思います。
まず、塾で運営する上で忘れてはならないことがあります。それは、

「保護者にとって我が子以外の生徒の成績には、本質的に興味が無い」

ということです。
まず保護者の心理を考えてみましょう。母親が自分のお腹を痛めて生んだり、初めて立ち上がった姿を見たり、言葉をしゃべったりと、父も母も深いつながりを醸成していきます。(※「父」「母」は生徒保護者に対して使うべきではありません。理由は後述します。)また、実の両親が保護者でない家庭も日々の生活の中で我が子にとって愛情と責任を持ち、生活しています。

こんなことは少し考えれば、当たり前の事象だと気付くのですが、校舎運営者はどうしても「一対多」の関係になるので、「同じ塾メンバー」という見方をしてしまいます。以下は日々の運営の中でやってしまいがちな例です。

① 保護者向けの2者面談、又は3者面談を頻繁にやっているのに、退塾が止まらない。
② 生徒に発破をかけるつもりで「頑張った生徒の話」をしたら、クレームに繋がった。
③ 保護者向けのセミナーで「成績が伸びた生徒のエピソード」を話して、実績のアピールと安心感を生もうとしたのに、悪評に繋がった。

いずれも本来は効果のあるものなのですが、保護者視点が欠けた故にマイナスの方向に振れてしまったケースです。他にも数々ありますが、これらは特にやりがちです。それぞれをもう一度「保護者にとって我が子以外の生徒の成績には、本質的に興味が無い」という視点で考えましょう。

まず「面談を頻繁にやっているのに、退塾が止まらない」についてです。「学習面談」はやった方がメリットは大きいですが、どうしても一日に行える数が限られてきます。一家庭30分として5時間行っても10が限界です。運営者側は「今日も生徒対応を頑張った」と充実感を持っても、対応が必要な生徒に手が回る前に退塾を決断されてしまう、ということが起きます。「本当に面談が必要な家庭に実施できているか」がポイントです。(勿論面談の精度も関係します。)

次の「生徒に発破をかけるつもりで「頑張った生徒の話」をしたら、クレームに繋がった」も同様です。これは生徒をきちんと掌握できていれば問題ありませんが、そうでないと「自分より頭が良い〇〇くんと比較された」と僻む心理が生まれやすくなります。特にこのケースでは、別の心理として子供の「人と比較されると極端にやる気がなくなる」、保護者の「成績が下位層の生徒の保護者ほど、他の生徒との比較を嫌う」というものも理解しておかなければなりません。先ほどの話が保護者に伝わる際に尾ひれがつき、保護者の「やはり頭の良い生徒ばかり可愛がるのか!」という怒りを買うことが少なくありません。

更に「保護者向けのセミナーで「成績が伸びた生徒のエピソード」を話して、実績のアピールと安心感を生もうとしたのに、悪評に繋がった」というのも、成績が上がった生徒は運営者側からすれば「同じ塾に通う生徒」ですが、保護者側からすれば友達でも無い限り「関係ない他人」です。他人の成功をうれしそうに話されると、保護者には「自慢」にしか聞こえません。

では、どうすれば良いのでしょうか。簡単です。他の生徒の話や実績のアピールをする際には常に「共通項」を意識するのです。関係ない生徒の話も我が子との共通項を見つけ出した瞬間に「成功のためのノウハウ」に変わります。例えば同じ性別、同じ性格、同じ中学、同じ部活、同じ苦手教科、同じ勉強のやり方など共通項はたくさん見つけだせます。今挙げたものだけでなく、成績がよい生徒の要素を抽出しながら、分類して生徒に伝えていけば、確実に反応が変わります。

上記の保護者の心理を理解して、校舎運営をなさってください。
(ちなみに「親」ではなく、保護者という表記で統一したのは「実際に血が繋がらない親子や、祖父母が学費を出してくれている家庭も増えているから」です。リスク管理として、呼称は「保護者」「おうちの人」と統一した方が良いです。細かいことですが、こういったことにも気を配るとより校舎運営の精度も上がります。)