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競合モニタリングで競争優位を生み出す-対競合戦略と実践 Part2-

こんにちは、城野優です。前回、競合をモニタリングすることの重要性とモニタリング項目についてお話させて頂きました。今回は、競合のモニタリングの”仕方”についてお話させて頂きます。

競合のモニタリングを行う上で一番難しいのは実は競合モニタリングの運用フローを継続して回し続けていくことです。モニタリング項目を明確に定めたとしても、仕組みとして競合モニタリングを回していかないと、徐々にモニタリングを行う頻度が減っていき、いつの間にかモニタリングの更新が止まってしまうなんていうことが容易に想像できます。
競合モニタリングは継続してモニタリングしていくからこそ競合の動きや競合と自塾の距離を定点観測的に測ることがKeyですので、どこかの時点でモニタリングが止まってしてまっては、それまでの競合モニタリングの蓄積が無駄になってしまうのです。競合モニタリングを継続的に回していくためのコツは、「競合モニタリングの責任者を決める」ということです。「責任者」とは、競合モニタリングのモニタリング項目の設定、各項目ごとのモニタリング担当者の任命を含め、競合モニタリングの運用に関わる全ての責任を持つということです。モニタリング項目を改善する必要があればモニタリング項目の見直しを行ったり、各モニタリング項目ごとの情報収集が滞っていれば、各モニタリング担当者へモニタリング実施を行うようリマインドを行ったり、各モニタリング担当者がモニタリングを行うで課題を抱えているようであれば、一緒に課題解決に向けて考えたりします。中小規模の塾であれば、1~3人程度でモニタリングを分担して行うことが想定されますが、場合によっては競合モニタリングの責任者が一部の項目のモニタリング担当者も兼務して行う、というような運用が必要になるかと思います。競合モニタリングを行うメンバーの人数に限らず重要なことは、競合モニタリングの舵取りの責任者を明確にし、責任者本人も自分がモニタリングの責任者だと認識している状態を作ることです。

競合モニタリングを行う上でもう一つ重要なことは、「モニタリング項目ごとに更新頻度を決める」ということです。「各種キャンペーン(入会キャンペーン・紹介入塾キャンペーン等)」については随時情報をキャッチする必要がある一方で、「講師数」や「生徒数」のような項目は常に情報をキャッチし続ける意味はあまりないでしょう。半年に1回、あるいは、年に1回の更新で良いはずです。

また「季節講習」については各季節(春期、夏期、秋期、冬期」の季節ごとにモニタリングを行う必要があるでしょう。各項目ごとに「どれくらいの頻度で/どのタイミングでモニタリングを行う必要があるか?」という点をしっかり考えた上でモニタリングを行なう必要があります。

各項目のモニタリングを行う際には、情報収集の方法も工夫する必要があります。競合のホームページで全ての情報が確認できれば良いのですが、ホームページ上で確認できない場合には、定期的に競合の塾に行きパンフレットをもらう、電話で直接情報を聞いてみる、塾の教室の前に行き合格実績の張り出しを確認しに行くというような方法も必要かもしれません。直接電話をしたとしても情報を教えてくれるわけがないだろうと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、例えば、「生徒数」や「講師数」であれば、電話をかけて「御塾に興味を持っているのですが、生徒数や講師数はどれくらいいらっしゃるのでしょうか?」と聞けば大抵の塾が教えてくれます。
もちろん、ウソはいけませんので常識・モラルの範囲内で確認できる範囲で確認を行う必要があります。大抵のモニタリング項目については、競合のホームページ、パンフレット、塾の外・中の張り出し掲示物、電話で情報収集することができます。モニタリング項目別にどのルートから情報を入手できるかということを一度整理しておけば、定期的なルーティンとして定期的に決まった情報ルートから情報を取ってくればよいだけなので、非常に便利です。

競合モニタリングを定常的に運用として回しているようになれば、情報収集の上級方法として「生徒、保護者の方々から情報を獲得する」というような方法できるようになってきます。情報確度の精査は必要ですが、生徒、保護者の方との会話の中から競合情報を抽出し、モニタリングデータとして蓄積していけば、通常では調査できない深い内情レベルでモニタリングができるようになります。生徒や保護者からの情報は、精度が高い情報とそうでない情報が当然入り混じっておりますので、確実だと断言できる情報でない限りはあくまで参考情報として利用するといいでしょう。ただしこの方法は上級編になりますので、無理に行う必要はありません。まずは、上記で述べた基本的なモニタリング方法で運用を回せるようになることが先決です。競合モニタリングの責任者を明確に決めて、モニタリング項目ごとの更新頻度を定め、運用を仕組み化して回していくことが重要です。

今回はモニタリングの”仕方”についてお話させて頂きました。次回は、モニタリングした情報を実際に競争優位確立に向けて活かすための方法をお話させて頂きます。