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塾を成長させる育成術 -Part1-

こんにちは、城野優です。今回は、「塾を成長させる育成術」と題して塾業界における人材育成方法についてお話しさせていただきます。

ところで、皆さんは「人材育成」のゴールは何であるとお考えでしょうか?社員やアルバイト講師の成長でしょうか?或は、会社のトップラインの向上でしょうか?どちらも正解であると言えるでしょう。重要なことは、「社員の成長」「会社のトップライン向上」の両方を「人材育成」のゴールとして設定する必要があるということです。

「社員の成長」だけを考えていては、社員が成長したけれども会社の売上向上には全く寄与していないということが起こりうります。「社員の成長」がしっかりと会社の成長に繋がるように設計する必要があるのです。一方で「会社のトップライン向上」だけを人材育成のゴールとしてしまうと、社員を塾の駒として扱うようになり、どこかの時点で社員が塾から離れていってしまうでしょう。非常に難しいのですが、「社員の成長」と「会社のトップライン向上」の両方を念頭において「人材育成」を行う必要があるのです。

人材育成のSTEP1

人材育成でまずやるべきことは、社員(アルバイト講師)がどのように成長していきたいのかを明確にすることです。時間軸の観点も非常に重要で、長期的、中期的、短期的にどのように成長していきたいのか、という時系列で成長ゴールを明確にします。例えば、アルバイト講師であれば、

・長期的目標(10年後):新しい価値観・ライフスタイルを提案し、世の中の人々をハッピーにできるようになる
・中期的目標(3年後):広告代理店へ入社後、大手メーカーの担当になり様々なキャンペーンを仕掛ける
・短期的目標(1年後):論理的にプレゼンテーションできるようになる

のような目標の立て方でも良いでしょう。社員講師であれば、

・長期的目標(10年後):自分の塾を開業する
・中期的目標(3年後):英語のカリスマ講師として有名になり本を出版する
・短期的目標(1年後):塾内で1番人気の英語講師になる

のような目標の立て方になります。
この段階で重要なことは、あくまで目標は、「本人のやりたいこと」「本人の意思」に委ねることです。この段階では、塾側の希望や要望を目標に反映させる必要はありません。まずは、本人が目指すことを腹落ちしたレベルで出し切ってもらうことが重要です。

人材育成のSTEP2

STEP1では、短期的・中期的・長期的な時間軸で目標を設定しました。STEP2では、「自分ができること」「自分ができないこと」を洗い出し、目標とのGAPを明らかにします。例えば、先ほどのSTEP1の社員講師の例でいうと、

・できること:英語教科の基本的な指導
・できないこと(ないもの):(生徒からの)満足度が高い授業進行、生徒からの受験対策への質問に対する質問への回答、保護者からの信頼、出版社とのコネクション

のような形で「できること」「できないこと」を明らかにします。

そうすると、GAP(今後必要なこと)として、「授業で高い満足度を獲得するために、カリスマ講師の授業を研究する。授業進行を見直し、生徒のウケを取るトークスクリプトを授業ごとに1つずつ追加していく」「生徒からもらった受験対策への質問・質問に対する返答を暗記する」「今後生徒から質問される可能性がある受験対策に関する質問を予測し、あらかじめ返答を考えておく」「出版社にメールを送り、コネクションを作る」のように次々とやるべくことが明確になってきます。

人材育成のSTEP3

STEP1、STEP2ではあくまで、「社員自身が実現したいこと・実現するために必要なこと」を明確にするSTEPでした。ただし冒頭でご説明した通り、社員の成長は、会社の売上成長に結びつく必要があります。そこで、塾として、社員に「マスト」としてやってもらわなければならないことをSTEP3で明らかにします。
例えば、下記のようなイメージです。

・1日3コマ(90分×3コマ)の授業を週に5日行う
・月に1回生徒の個別面談を実施する
・半年に1回保護者の方との面談を実施する
・3ヶ月度に1度模擬試験の問題を作成する
・3ヶ月度に1度模擬試験の採点を行う

一般的な塾ですと「マスト」の部分だけを一方的に社員にコミュニケーションするケースがありますが、それでは、単にマストを”こなす”だけになってしまいます。一方でSTEP1、STEP2のステップを踏み、将来の目標と目標と現実のGAPをしっかりと明確にしておけば、GAPを埋めて目標に近づくために、自分なりに工夫しながら「マスト」に”取り組み”、”改善を重ねがら進化”していくようになります。

今回ご紹介した、STEP1、STEP2、STEP3の手法は、実は日本を代表する某大手企業でも「WILL CAN MUSTシート」という名前で活用されている方法です。人材の成長と塾の成長がしっかりと結びつている状態を作り出すことは非常に難しいですが、うまく実現できた場合には、人も組織もものすごい勢いで成長していくことができます。是非、皆さんの塾の人材採用でも取り入れてみて下さい。

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