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塾ビジネスにおける営業力 -Part2-

こんにちは、城野優です。今回は、前回に引き続き「塾ビジネスにおける営業力」と題して「営業」という観点から、塾の新規顧客増大及び売上拡大の手法をご紹介させて頂きます。

前回は、塾ビジネスにおいて「営業力」は重要であるということと、「営業力」とは「売りつける能力」ではなく、「課題理解能力」及び、「課題解決能力」であるということをお話させて頂きました。今回は、塾の社員の方々の「営業力」を高めるための方法についてお話させて頂きます。

トークスクリプトを作成する

「営業力」とは「課題理解能力」及び「課題解決能力」であるとお話しました。また、前回の記事では「営業」を行う際に8割の時間・力を「話を聞くこと」に使い、残りの2割程度の時間・力を「営業(塾の紹介)」に使うという時間配分のバランスが重要である旨をお伝えしました。

「課題理解能力」というと一見、非常に難易度の高い能力のように聞こえますが、塾ビジネスにおいて、顧客(保護者)が抱える課題は、そこまで多くありませんので事前に予測することが可能です。また、事前に課題を予測しておけば、同時に、解決策を用意しておくことも可能になります。

塾ビジネスにおいて顧客が抱える課題は、大きく分けると「成績」「志望校対策」「学習習慣」の3点になります。
「成績」に関する課題は、学校のテストや塾が主催する模擬試験の成績で目標の点数や順位を取れない際に抱える課題です。「志望校対策」に関する課題は、難関校や特徴的な試験を実施している学校を志望している際に志望校に特化した対策を行う必要があり、抱える課題です。「学習習慣」に関する課題は、「成績」や「志望校対策」以前にそもそも「学習を行う」という習慣がないケースに抱える課題です。顧客が抱える課題は大きなカテゴリーで括ると「成績」「志望校対策」「学習習慣」のカテゴリーの範囲に含まれる課題を抱えておりますので、それぞれの課題に対する解決策及び自塾の活用法をスクリプトとして考えておきます。

例えば「成績」という課題を抱える顧客がいる際には、「学校のテストで中々目標の点数が取れないんですね。我々の生徒の多くもかつては同じような状況でしたので、状況は非常に理解できます。お話をお伺いする中で、現状お子さんの成績が伸び悩んでいる理由は~と考えられますので、まさしく~を強みとする私共の学習方針で一緒に勉強して行ければ、短期間で目標達成が可能になるかと思います。」というトークスクリプトの”型”を事前に用意しておくことが可能です。

顧客の状況に合わせて、臨機応変に言葉を変える必要がある箇所もありますが、大きな「枠」は事前に用意しておくことができます。まずは、「成績」「志望校対策」「学習習慣」に関する、ヒアリング事項と提案内容のトークスクリプトを事前に用意されることをお勧めいたします。顧客の課題やニーズを事前に全て想定し、想定通りにヒアリング及び提案を行うことができれば、顧客接点の機会を非常に有効に使うことができます。

ロープレを行う

トークスクリプトを考えたからと言っていきなり顧客に対してヒアリングを行ったり、提案を行ったりするすることができるようになるわけではありません。実際に顧客と接する場合には、本題とは話が大きくそれてしまうこともありますし、中々聞きたいことを聞き出せないことがあったりと、臨機応変な対応を求められるケースが多々あります。例えトークスクリプトを暗記していたとしても、トークスクリプトの範囲を大きく超える対応が求められるケースには、ぶっつけ本番では対応が難しいのです。

野村証券、IBM、リクルートのような突出した「営業力」で有名な企業では、「営業ロープレ」と言って、実際の営業を想定したロールプレイング練習が頻繁に行われています。徹底した「営業ロープレ」を通じて、営業マンの戦闘力を最大限まで高めることをに成功しています。「営業ロープレ」では、2人1組になり、それぞれが「営業担当」と「顧客」の役を演じます。実際の商談という想定で実際にロールプレイングで商談を行うのですが、あえて意地悪な難易度の高い質問を繰り返し行うことで、「トークスクリプト」の範囲を超えた質疑に対する対応力を養うことができます。

一方で、顧客側の役を演じることで、顧客側の視点に立つことができ、「~のような言い回しは印象が良い。」「~のような言い回しは印象が悪い。」のように具体的なスクリプトが顧客にどのような印象を与えるかという点についても肌感覚で理解することができます。ロープレを行うことで、営業側としてのトークの磨き込みができるだけでなく、顧客側の目線や視点を獲得することもできるのです。

今回は、「営業力」を高める手段として、トークスクリプトの作成とロープレの実施についてご紹介させて頂きました。ぜひ、お試し頂けると幸いです。

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